企業分析

「経済的な堀」がある企業を選ぶ事で長期保有が可能

ウォーレン・バフェット氏やモーニングスターが投資条件として経済的な堀(economic moat)があります。

抽象的な目線ですが、長期投資先を選定する上で非常に重要な要素になる為、私も最近意識し始めました。

そもそも経済的な堀(economic moat)というのはお城の堀をイメージしてもらうとわかりやすいです。

城攻めする敵(ライバル企業)に対して堀が広く深いほど入る事が困難な堀を築くことで優位を保ち続けられます。

目次

結論

ライバル企業との差別化を図る経済的な堀(economic moat)を見つけるには以下5つの要素から検討するのが重要です。

長期投資の選定先として①~⑤のいずれかがある企業を選んでなおかつ、常に動向を見守り続けていかなくてはなりません。

①無形資産

②顧客の乗り換えコスト

③ネットワーク効果

④コストの優位性

⑤規模の優位性

無形資産

無形資産はブランドや特許、行政の認可を持つ企業です。

ブランドについては色んな企業がブランド力を高めようとしていますがなかなかうまくいかないように思えます。

私の好みですが特許や行政の認可(FDA承認とか政府認可)を持つ企業は強いイメージなので保有したくなりますね。

保有銘柄でいうとABBVやIBMといったものが好みです。

顧客の乗り換えコスト

その企業の製品やサービスが顧客にとって手放しにくい、手続きが面倒、コストが高いなどの理由によって顧客離れを防いでいることがあります。

Officeソフトなどがこれに当たるかと思います。似たようなソフトはあるけど使い慣れてるので多少高くても企業もそれを受け入れるといったように。

これも保有銘柄でいうとIBMでしょうかね。話はそれますが、IBMは迷走してますのでバフェットが売却したのも納得です。

ネットワーク効果

クレジットカードとかオンラインサービスがこれに当たります。

利用する人が増える事によって利益や価値が大きくなっていく製品であれば、ネットワークによって更に価値が上がり、更に多く使用される。

そうしていく事で小さいネットワークは閉め出しをくらい、大きなネットワークはより大きく成長していく事になります。

保有銘柄にはないですが、マイクロソフト(MSFT)やVISA(V)といった企業がこれに当てはまるかと思います。

コストの優位性

安い製造プロセス、より良い立地、独自資産を持つ企業です。

製造プロセスはライバル企業が真似しやすい為、すぐに優位性は無くなりますが、立地については検討の余地があります。

例えばゴミ処理関連の企業がこれに当てはまるかと思います。

ゴミ処理だと市街地や住宅街といった場所に設置できず、かといってゴミが発生する場所から遠すぎるとゴミの輸送費によって割高になります。より良い立地に据える事でライバル企業の参入を許さなく出来る為、非常に強力だと思います。

独自資産は鉱山なんかがこれに当てはまるかと思います。

コモディティであっても質の良いものを取れる鉱山を所有していればそれだけでライバル企業に差をつけられます。

規模の優位性

これもコストの優位性と同じですが非常に重要だったので分けました。

ものすごく規模が大きい為にコストが削減できている、ニッチなジャンルの中でシェアが大きいといった事が当てはまります。

私の保有銘柄だとエクソンモービル(XOM)が規模の大きさによってコスト低下をもたらしているいい例かもしれません。

ニッチなジャンルだと工業用設備なんかが当てはまるかもしれません。高精度を求めらえる為、追従していくにはそれなりの技術が必要ですが、ライバル企業が参入するには専門性が高すぎるといった場合がこれに当たると思います。

まとめ

経済的な堀がある企業は大企業だけではなく、成長企業にも十分あると思います。

ですがS&P 500に名を連ねる企業は少なくともその他上場企業よりも経済的な堀が大きく機能している優良企業だという事が改めて納得できるかと思います。

しかし、企業自ら経済的な堀を埋めに行っている場合がありますので動向には注意しておかないといつの間にか業績悪化しているといった事になりかねません。

世の中は流動的である為、常に変化に対してアンテナを張って企業分析していく事が長期投資をしていく上で重要なんだと思います。

動向を見守っていてもまぁ大丈夫だろうと思っちゃうのが私なんですけどね。

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