ボラティリティ(株価変動額)が大きい時ほど確固たる投資方針に基づき投資する必要があります。
基本的に投資は長期戦ですのでまずは退場しない為の投資を心がける事は以下の記事にまとめました。
では実際に投資を始める際にはどういう方針で投資をするとボラティリティの影響を最小限に出来るのでしょうか。
目次
結論
以下の条件に当てはまれば毎月決まった額を投資する入金投資法(ドルコスト平均法)がオススメ。
・20年以上の長期投資(インカム、キャピタルどちらでも)
・サラリーマンによる安定した収入あり
ボラティリティは長期目線で見ると好景気、不景気サイクルがありプロでも完全に株価を予想する事は困難。であれば最高収益率を目指さずに平均点をとってなおかつ損失も小さくした方が精神衛生上ラクになります。
分散の考え
前提としてボラティリティに耐えるには長期投資であればキャピタルゲイン、インカムゲインの投資方法問わず以下の分散が必要となります。先にこれら分散の説明をざっくりしたあとで入金投資法の説明に入ります。
・資産の分散
・時間の分散
資産の分散
株や債券、不動産、純金など金融資産を自分の許容度に伴って買い揃える事です。
『一つのかごに卵を盛るな』という格言もあるように集中投資してしまうと致命的な要因によって資産がゼロになりかねません。株の中でも同じ銘柄やセクターに集中投資しない事が重要ですね。
アセット・アロケーションの考慮
アセット・アロケーションとは簡単に言えば「資産配分」です。
以下は各年代における資産の分散例になります。必ずしもこれというわけではない為、自分のリスク許容度や目標値に応じて資産割合を決めると良いですね。
資産配分が決まったら機械的に年に1回は見直して割合がズレていたら売買をして補正していけば適切な資産形成ができます。
年齢 | 株式 | 債券 | 不動産 | 現金 |
20代半ば | 70% | 15% | 10% | 5% |
30代後半~40代 | 65% | 20% | 10% | 5% |
50代半ば | 55% | 27.5% | 12.5% | 5% |
60代後半 | 40% | 35% | 15% | 10% |
※ウォール街のランダム・ウォーカー<第12版>から引用
セクターの分散
アセット・アロケーションだけではなく、各資産それぞれの中身もさらに分散投資してボラティリティを小さくしていきます。
1つの企業だけ、同じセクター(同じ業種やテーマの企業群のこと)で構成しただけの資産だとピンポイントでダメになった場合に全部ダメになります。
各セクターそれぞれ10%ずつが良いとか15%ずつが良いとか色々ありますが、多ければ多いほど分散出来るため、市場平均に近くなります。
時間の分散
時間による分散は定期的に入金、投資する事によってボラティリティに対応する事です。
以下は日本株式への投資期間について収益率をグラフ化したものであり、期間が長ければ長いほど収益率が収束していくことがわかります。
1945年~2016年までを元に作成している為、収益率がどえらい事になっていますが、どの期間を切り取っても概ね収束していきます。
1年だと資産が2.4倍程度になる事もあれば半分になる事もあります。平均すると10%台ですのでリスクに見合うかというとどうでしょうか。株価はプロでも完全に読み切る事は出来ない為、運に頼るイメージですね。
10年20年になると収益率が落ち着きばらつきが小さくなります。株価は一定のサイクルで好景気、不景気期間を繰り返す為、不景気期間に投資していれば好景気期間になった時に高い利益を望めます。
もちろん好景気期間にも投資している為、利益は5~8%程度に落ち着くでしょう。
ただ、これは過去の経験則でしかなく、市場価格が紆余曲折しながらも右肩上がりである事が前提のグラフです。今後の株価自体はどうなるか完全に予測はできない為、頭の隅に残すだけに留めたほうが良いです。
入金投資法(ドルコスト平均法)
資産配分やどのセクター、企業、投資信託、ETFに投資するかを決めたら、毎月決まった額を投資します。それが入金投資法です。
基本的にはリバランスや急激な資産増加は見込めない為、積立投資がこれに当たります。
投資は種銭が全てです。どんだけ優れたパフォーマンスをあげられたとしても数万円の投資だとリスクに見合っていません。
入金額が大きれば大きいほどリスクは高まりますが資産配分の許容範囲内であれば入金額を大きくする事が資産形成を最大化する上で重要な事です。
利益を得るにはリスク(不確実性)を取るしかないのです。
懐事情と相談していくら入金するか検討してから毎月の入金額を決めましょう。
まとめ
資産の分散だけでなく、時間の分散をする事でボラティリティ耐性がアップします。ただし、分散するということはベンチャー企業の一点集中で一気に稼ぐというのはほとんどできなくなることに留意しておかないといけません。
本業、副業を頑張りつつ投資をしたいといったサラリーマンこそこの入金投資法は効力を発揮出来るといっても過言ではありません。
下落相場や経済の停滞、後退であるならばなおさら資産を分散しながら毎月決まった額を投資していくことの重要性がわかると思います。
☆日々の継続こそが心身向上の糧☆