貨幣とは端的に言えばその国が公的に発行する物やサービスと交換できるクーポンという位置づけです。お金という言葉に惑わされないで物やサービスの価値を見極めることが資本主義経済を生き抜く上で非常に重要になってきます。
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貨幣量による影響
お金だけに執着するとインフレによって相対的に物やサービスとの価値が落ちてしまいます。労働者目線で立つと全く嬉しくありませんが経済全体で見ると非常に嬉しいことです。
基本的に労働による賃金は価格硬直性が高くインフレや経済政策による影響を受けにくいです。何かというと金融政策によって貨幣の量を増やしても名目賃金はその他の財やサービスの価格ほど増加しないというものです。
逆に貨幣量が多くなることで相対的に安くなった労働への需要が大きくなることから少しずつ労働需要増加という変化が起こるのです。
昨今の失業率増加時では働きたいのに働く場所が無い人がいる状況で貨幣量が多くなると労働需要増加によって失業率が減少するというのが一般的な考え方です。
失業者からは労働需要増加によって所得がゼロからプラスになるわけですからありがたいですが、すでに働いていた人に対しては実質的な所得減少によって貧しさは悪化します。
何が起こっているかと言うと既存の労働者から失業者へ所得が移動している、再分配が行われているわけですね。経済全体で言えば労働者が増えることで財やサービスの総量が増えてマクロの生産までじっくりと良くなっていくものです。
貨幣だけに依存するとどうなるか
前項で述べたように既存労働者にとっては貨幣量が多くなると実質所得が少なくなるため、現状よりも更に貧しくなってしまいます。労働に対するお金だけに依存するとこうなりやすいです。
実際には年齢や役職が上がっていく為に実質所得が少なくなっていると個人では感じ難いですが、今の日本での賃上げは貨幣量の増加率よりも確実に少ないことから不景気真っ只中だった1990~2000年代貧しさよりも今のほうが深刻だと言えます。
資産を分散する
今でこそ貨幣は100年以上続いていますが、歴史を振り返ると富本銭から始まり様々な貨幣へと移り変わっています。その中で新しい貨幣の方が古い貨幣より価値を持つように国がコントロールしたことで古い貨幣をずっと持っていても価値は下がる一方です。それは現代の日本円も同じでしょう。
となれば対策としてはやはり資産を分散することです。貨幣以外の資産、土地や不動産、株式、貴金属などバラけさせる必要があります。需要によって価値は変わりますが貨幣も同じなので実質一つの資産を持つよりもよっぽど安全です。
まとめ
株式でも1つのかごに卵を盛るなという格言があるように貨幣だけに依存していると貨幣量が増えた時に実質的に貧乏になる一方です。価値が移るのは仕方がありませんが貨幣に対して言えば今後も価値が減少していく事は明白です。
正しく資産価値を勉強することで依存度をなくして必要な時に必要な量だけ使用するようにしておけば貧乏になることはありえません。
☆日々の継続こそが心身向上の糧☆