4月に公開したバケツ戦略の記事では、資産全体のバランスに大きな課題がありました。

特に問題だったのは、中期バケツが極端に少なく、実質的に機能不全に近い状態だったことです。

さらに、生活費増加によって短期バケツの必要額も変化していたにもかかわらず、以前の基準のまま管理を続けていました。

実際、4月時点の状況は以下でした。

  • 長期バケツ:約5,190万円(達成率64.1%)
  • 中期バケツ:約547万円(達成率33.8%)
  • 短期バケツ:約189万円(達成率30.9%)

長期資産だけを見ると積み上がっているように見えます。 しかし、出口戦略として見ると暴落時に耐えられる構造にはなっていませんでした。

特に中期バケツ不足は危険です。

株価暴落時、本来であれば中期バケツを取り崩して時間を稼ぐ必要があります。 ところが、そのクッションが薄い状態では、結局は長期資産を崩すしかなくなります。

つまり、バケツ戦略を採用しているつもりでも、実際には防御力が不足していたということです。

そこで4月以降、資産管理方法を全面的に見直しました。

  • 妻側の現預金も含めて家計単位で再設計
  • 離散していた銀行預金を統合
  • 財形貯蓄もバケツに反映
  • 生活費増加を前提に必要資産を再計算

その結果、資産状況は大きく改善したため、記事にしました。

4月時点では中期バケツ不足が深刻で、実質的に機能不全に近い状態でした。詳細は以下で整理しています。

【2026年4月度】バケツ戦略の進捗|セミリタイアに向けた資産配分と課題今月は支出の見直しにより、年間支出を288万円へ引き上げました。これに伴い、セミリタイアに必要な資産額も増加し、バケツ戦略の前提が大きく...

2026年5月時点の最新バケツ状況

2026年5月時点の状況は以下です。

バケツ 現状 必要資産
長期バケツ 60,455,882円 72,000,000円
中期バケツ 13,734,769円 14,400,000円
短期バケツ 2,411,581円 5,040,000円

達成率に換算すると以下になります。

  • 長期バケツ:約84.0%
  • 中期バケツ:約95.4%
  • 短期バケツ:約47.8%

4月と比較すると、中期バケツが劇的に改善していることがわかります。

なぜ中期バケツが大きく改善したのか

今回の最大の変更点は、家計単位で資産を見るようにしたことです。

以前は、自分名義の証券口座や銀行口座を中心に管理していました。 しかし実際には、家計全体で見れば現金資産はもっと存在していました。

具体的には以下を新たに反映しています。

  • 妻側の現預金
  • 財形貯蓄
  • 複数銀行に分散していた預金
  • 使途が曖昧だった待機資金

これらを整理すると、実は中期資金として機能するお金がかなり存在していたことがわかりました。以前は、資産が散らばっていたことで全体像が見えていなかったです。

これはバケツ戦略で非常に重要なポイントだと思っています。

バケツ戦略の基本構造や考え方は、以下の記事で図解付きで整理しています。

バケツ戦略の本質|FIREで重要な攻守分離による資産取り崩し戦略バケツ戦略とは?FIRE・セミリタイアで重要な資産の取り崩し方法を図解で解説。シーケンスリスクの回避、補充ルール、実際のポートフォリオ設計まで実例ベースでわかりやすく紹介します。...

証券口座だけを見ると、どうしても投資資産中心で考えてしまいます。 しかし、出口戦略ではどこに資産が置かれているかのほうが重要です。

資産総額よりも、役割分担のほうが重要になる場面があるということです。

それでも短期バケツは不足している

一方で、短期バケツはまだ課題が残っています。

必要額504万円に対し、現在は約241万円。 達成率はまだ50%未満です。

4月時点よりは改善していますが、生活防衛力としては十分とは言えません。

特に最近は、以下のように固定費・生活費が以前より増えています。

  • 子ども関連費用
  • 住宅関連費用
  • 食費上昇
  • インフレ影響
  • 突発支出の増加

以前の生活費基準で設計していた短期バケツでは、現実とズレが発生していました。

つまり今回の再設計は、資産が増えたというより、必要額の現実修正でもあります。

FIREや配当投資では、資産額だけに注目しがちです。 しかし実際には、生活コスト側も常に変化しています。生活費が上がれば、必要な短期資金も増えます。バケツ戦略は一度作って終わりではなく、定期的なメンテナンスが必要だと改めて感じました。

4月時点と比較すると「構造」が変わった

今回の変化は、単純な資産増加だけではありません。最も大きいのは、資産構造が改善したことです。

4月時点では、長期バケツに偏りすぎていました。資産形成が順調に見える反面、暴落耐性は弱い構造です。なぜなら、暴落時に取り崩す余裕資金が不足しているからです。

しかし現在は、中期バケツがかなり改善しました。

これにより、もし株式市場が大きく下落したとしても、すぐに長期資産を売却しなくても済む可能性が高まりました。

つまり、時間を味方にできる構造へ近づいてきたということです。バケツ戦略の本質はここにあると思っています。

今後の優先順位

現状を見る限り、今後の優先順位はかなり明確です。

優先順位①:短期バケツの強化

まずは短期バケツを優先的に積み増します。

特に以下を重視します。

  • 生活防衛資金
  • 突発支出対応
  • 暴落時の精神安定
  • 子ども関連イベント費

短期バケツはリターンを生みません。

そのため、投資効率だけを見ると非効率に見えます。 しかし、暴落耐性と精神安定性への効果は非常に大きいです。

実際、現金余力が少ないと、下落時に正常な判断ができなくなります。その意味でも、短期バケツは守りのコア資産だと考えています。

資産を増やすだけではなく、減らし方を設計する重要性については以下でも詳しく解説しています。

バケツ戦略の最適比率|年齢・家族構成別に資産配分を解説バケツ戦略というと、現金を多めに持つ方法と考えられがちです。 しかし実際には、最も重要なのは比率設計です。 同じバケツ戦略でも、...

優先順位②:中期バケツの維持

中期バケツはほぼ必要額へ到達しました。

今後は急拡大よりも、維持管理フェーズに入ります。

ここを安定的に維持できれば、暴落時の耐久力はかなり変わります。

優先順位③:長期バケツの継続成長

長期バケツは依然として未達です。

ただし、中期・短期が改善したことで、以前より安心して長期投資を継続できる状態に近づきました。今後も配当再投資や積立投資を継続しながら、目標値である7200万円の到達を目指します。

まとめ

4月時点では、長期資産偏重によってバケツ戦略が十分に機能していませんでした。

しかし今回、家計全体で資産を見直したことで、中期バケツは大幅に改善しました。

一方で、短期バケツ不足という新たな課題も明確になっています。

今回改めて感じたのは、バケツ戦略は資産額競争ではないということ。重要なのは、暴落時でも長期資産を守れる構造になっているか。つまり、資産総額よりも資産配置の設計が重要になります。

FIREや配当投資では、どうしてもリターンや資産額へ目が向きます。 しかし出口戦略では、守りの設計こそが重要です。

今後も短期バケツを改善しながら、より実戦的なバケツ戦略へアップデートしていきます。